ビットコインと円天の違いを分かっていますか?
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    クローズアップ現代でビットコインを取り上げていました。

    その時のTwitterのツィートを見ていると、『円天と同じじゃね?』みたいなのが多く、おいおい、全然違うんだけどなぁ・・・って思ったのと、ぐぐっても、こういう違いをちゃんと書いているところがないので、説明してみました。
     

    ビットコインは、仮想通貨とか電子マネーとか言われることが多いので、『仮想』という言葉から受けるイメージや、怪しげな電子マネー『円天』の事件を思い出して、同じようなものと言っている人たちもいます。

    ただ、悲しいかなビットコインどころか、円天のことも理解せず、なんとなくデジタルの世界だけで使える『お金』という意味で同じものと結論してる人が多いように思えます。

    ここで、しっかりと違うということを示しておきましょう。(あ、言っておきますが、ビットコインは円天と違うから安心して投資しなさい!と言っているのではないので、お間違いなく!w)


    では、まず、2007年にニュースになった円天のおさらいをしておきましょう。(っていうか、円天って言葉を知っていても、何が問題だったのか分かってる人って少ないと思います)

    参考にしたのはここ wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%BC


    円天は、波和二が創業した株式会社エル・アンド・ジー(1987年設立)で運営していた電子マネーです。円天市場と呼ばれるオンラインショッピングで使うことができるようになっているのですが、この円天を手に入れるには、10万円以上をエル・アンド・ジーに預けることで、1年ごとに同額の円天マネーがもらえるという仕組みになっています。

    電子マネーとはいえ、円天市場でしか使えないので、出資した配当をその企業で利用できる商品券でもらっているのとさほど違いはありません。ただ、その配当が1年で100%還元されるというのは、どう考えてもおかしな状況です。冷静に考えてみれば分かりますが、円天市場で購入できる商品は、どこからか仕入れてくる必要がありますし、自社で作っているとしても原材料が必要です。それらの支払いは、集めた『お金』で支払っているのであって、いくら利回りのいい運用をしたところで、資金はどんどん少なくなっていきます。あるいは、円天市場で1円=1円天として、牛乳1パック10万円天とかで売っているのであれば、10万円で販売してるのですからなんとか回していけるでしょう。ただ、こんな金額で販売しているなら、10万円出資して、1年で牛乳パック1本しか配当がないなら誰も出資しようとはしないでしょう。

    そもそも、このような運営は出資法に関わることになり、また、この円天とは別に、100万円出資すれば3か月ごとに9万円を配当し、元本も保証するということもやり始めて、この配当も払えなくなり、出資法違反や詐欺として問題になりました。つまり、電子マネーが問題なのではなく、『お金』の集め方や運用方法が問題だったのです。

    円天について整理しておきましょう。

    ・企業が運営管理する電子マネー
    ・企業が運営するオンラインショップでしか利用できない
    ・電子マネーを手に入れるには10万円以上を預ける必要がある
    ・出資金への配当が電子マネーと考えることもできる



    では、ビットコインはどうなっているのでしょうか。

    ビットコインは、P2P方式で運営されているので、どこかの企業とかどこかの団体が管理しているものではありません。P2P方式なので、ビットコインを利用するためにプログラムをインストールしてる世界中のコンピュータによってお互いに管理していると考えてもいいでしょう。
    ビットコインを利用できるのは、ビットコインでの支払いを受け付けるお店でしか利用できませんが、運営会社などはないのでお店でビットコインを受け付けると宣言するだけです。後は、ビットコインを使うサービスやビットコインのプログラムを使って、お客さんと直接ビットコインをやりとりするだけです。お店でなくとも、個人でのやりとりもできるので、オークションの支払いなどにも両者が納得すれば利用できます。
    ビットコインを手に入れるには、一般的には、交換所で購入します。売りたい人と買いたい人の提示金額が納得できれば購入できます。他には、『発掘』といってコンピュータでビットコインを生み出すこともできますが、現時点では高速計算できる専用のコンピュータが必要で、運用する電気代なども考慮すると、現実的ではありません。
    円天とは違い、出資金といったものはなく、誰でも自由にビットコインは使うことができるようになっています。

    円天と比較するためにビットコインを整理すると

    ・運営管理する企業や団体はなく、ビットコインのプログラム自身で管理されている
    ・取引する両者が納得すれば、企業であっても個人であってもビットコインで取引可能
    ・出資金などはなく、交換所でビットコインに換金して購入する
    ・金(GOLD)や銀のような換金できる電子データと考えることもできる


    このように見てみると、円天の場合は、出資した人にとっては、毎年同じ金額の円天がもらえるとか、100万円出資したら3か月ごとに9万円もらえるとか言われていたことが実現しないので、詐欺だ!ということになり、事件になりました。

    ビットコインは、欲しいと思う人が多くなったからこそ、1ビットコインを10万円近くで売買されるということが起きているだけであり、誰かが10万円で取引を保証してるわけでも、約束してるわけでもありません。為替レートのように常に変動していて、株の売買やFXで儲かったり、損したりするのと変わりません。

    楽天とビットコイン、電子マネーとか仮想通貨というだけで、つまりは、電子データだということだけで、同じようなものだというのは、あまりにも無謀な話です。「『かまぼこ』も『刺身』もどっちも魚だから同じだ」と言われる以上に違和感を覚えます。
    | 足立明穂 | ビットコイン解説 | 18:54 | comments(1) | - | - |